GPGPUを用いたシミュレーションといわれると、真っ先に思い浮かぶのはPCゲームのシミュレーションゲームでしょうか。
確かに間違っては居ませんが、ここで言うシミュレーションとは物理シミュレーションの事を指します。
ある事象をGPGPUを用いてシミュレートする、ということです。
そもそもGPUとはPCゲームや動画鑑賞時にリアルタイムでグラフィックを演算するときに用いられます。
CPUはGPUの得意とする単純な処理が苦手なので、GPUが用いられるわけです。
しかしながら、GPUの性能が向上し、CPUの性能が頭打ちになった感のある現在、GPUを用いて様々な処理を高速化しようといった試みがなされてきています。
このGPU本来の用途以外に使い、処理の高速化を図ることをGPGPUと言います。
その一つの例として、最初に取り上げたGPGPUによる物理シミュレーションの高速化を挙げました。
これはGPUの得意とする計算に特化したアルゴリズムを組み、従来を遥かに上回る速度でシミュレートすることを可能にしたものですが、私たちの生活に間接的には密接しているものの、私たちが活用する技術ではありません。
一般的には音楽ファイルのエンコードに使われる、といった使われ方の方が遥かに身近ですが、色々な使い方ができるのもGPGPUが研究されている理由の一つです。